お正月の朝は、少し音が少ない。
外の空気は澄み、台所には白い湯気が立つ。
炊きあがったごはんの匂いが、家の中をゆっくり巡る。
この一杯から、今年が始まる。
お米は、祈りがそのまま形になったもの
お正月は、年神様を迎える日。
鏡餅も、お雑煮も、祝いのごはんも、
すべては実りへの感謝を映したもの。
お正月に、お米を食べることは、
今年も生きていく力を、静かに受け取ること。
白いごはんは、味を休ませる場所
おせちは賑やかで、少し背筋が伸びる料理。
甘さ、塩味、手間の重なり。
その隣にある白いごはんは、
何も語らず、ただ受け止める。
一口食べると、味が整い、心が戻る。
主役ではないけれど、欠けると成り立たない存在。
炊き初めは、いつもより少しだけ丁寧に
新年だからと、特別な技はいらない。
ただ、少しだけ真心をこめてご飯を炊く。
洗米をやさしく、
水を正しく量り、
炊きあがったら、ふんわりとほぐす。
感謝とともにいただく、
炊き初めのごはんには、
その年の姿勢が、そっと映る
あたりまえの生活の中に
あたりまえにご飯を炊いて
あたりまえにご飯をいただく
あたりまえの中に幸せの種がめぶく
大きな実りを願いながら
小さなあたりまえを日々
丁寧に積み重ねていこう

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